JLPT N1READING LESSON約 859文字

町を歩く研究者

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都市史を研究する森さんが古い商店街を歩き、店主へ調査目的を伝えて記憶を聞くイラスト

大だい学がくで都と市し史しを教おしえる森もりさんは、授じゅ業ぎょうを担たん当とうするかたわら、古ふるい商しょう店てん街がいの変へん化かを調しらべている。地ち図ずや行ぎょう政せい資し料りょうだけでなく、そこで暮くらす人ひとの記き憶おくも重じゅう要ような資し料りょうになるという。森もりさんが調しらべる商しょう店てん街がいでは、戦せん後ごに建たてられた店みせが次々つぎつぎに閉しまり、土と地ちの使つかい方かたも変かわっている。建たて物ものがなくなれば、そこにあった暮くらしを知しる手てがかりも減へる。森もりさんは買かい物ものがてら町まちを歩あるき、店てん主しゅや住じゅう民みんと短みじかい会かい話わを交かわす。

正せい式しきな聞きき取とり調ちょう査さとは異ことなるが、日にち常じょうの場ばだからこそ語かたられる話はなしも少すくなくない。行ぎょう政せい資し料りょうには建けん築ちく年ねんや所しょ有ゆう者しゃが記しるされているが、店みせ先さきで交かわされた会かい話わや季き節せつごとの習しゅう慣かんまでは残のこらない。公こう的てき記き録ろくだけでは見みえない歴れき史しがある。ただし、日にち常じょうの会かい話わを研けん究きゅうに使つかう場ば合あいには注ちゅう意いが必ひつ要ようだ。相あい手てが研けん究きゅうのための記き録ろくだと理り解かいしていなければ、その言こと葉ばを勝かっ手てに公こう表ひょうすることはできない。

森もりさんは興きょう味み深ぶかい話はなしを聞きいたとき、後ご日じつあらためて目もく的てきを説せつ明めいし、記き録ろくしてよい範はん囲いを確かく認にんする。名な前まえを出だしたくない人ひとの証しょう言げんは匿とく名めいにする。調ちょう査さを始はじめたころは、大だい学がくから来きた研けん究きゅう者しゃに何なにが分わかるのかと疑うたがう住じゅう民みんもいた。森もりさんが何なん度ども町まちを歩あるくうち、少すこしずつ資し料りょうを見みせてもらえるようになった。集あつめた写しゃ真しんや聞きき取とりは大だい学がくだけに保ほ存ぞんせず、商しょう店てん街がいの展てん示じでも紹しょう介かいしている。

住じゅう民みんが内ない容ようを訂てい正せいしたり、新あたらしい情じょう報ほうを加くわえたりできるようにするためだ。取とり壊こわされる建たて物ものから住じゅう民みんの記き憶おくに至いたるまで記き録ろくしなければ、町まちの歴れき史しは捉とらえきれない。長なが年ねんその場ば所しょを使つかってきた人ひとの視し点てんを残のこすことが、研けん究きゅうを地ち域いきに返かえす一ひとつの方ほう法ほうだと森もりさんは考かんがえている。研けん究きゅう者しゃが地ち域いきを説せつ明めいするのではなく、地ち域いきとともに記き録ろくを作つくる。その過か程ていそのものが、失うしなわれかけた記き憶おくを共きょう有ゆうする場ばになっている。

森もりさんは、調ちょう査さ対たい象しょうの町まちを「分わかった」と感かんじたときほど注ちゅう意いすると言いう。住じゅう民みんと親したしくなれば質しつ問もんしやすくなるが、聞きき慣なれた説せつ明めいを当とう然ぜんだと思おもい、違い和わ感かんを見み落おとすこともあるからだ。外そとから来きた視し点てんを失うしなわず、同どう時じに外がい部ぶの基き準じゅんだけで町まちを判はん断だんしない。その不ふ安あん定ていな距きょ離りを保たもつことが、地ち域いきを研けん究きゅうする難むずかしさであり、面おも白しろさでもある。

STEP 2

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2問
問1
森もりさんは大だい学がくの授じゅ業ぎょう以い外がいに何なにをしていますか。
問2
森もりさんが住じゅう民みんとの日にち常じょう的てきな会かい話わを大たい切せつにするのはなぜですか。
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STEP 3 · JLPT N1

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REFERENCE · KANJI

この文章に出てくる漢字

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J-NIHONGO · READING WORKSHEETJLPT N1

町を歩く研究者

都市史を研究する森さんが古い商店街を歩き、店主へ調査目的を伝えて記憶を聞くイラスト
名前
日付

1 本文

大だい学がくで都と市し史しを教おしえる森もりさんは、授じゅ業ぎょうを担たん当とうするかたわら、古ふるい商しょう店てん街がいの変へん化かを調しらべている。地ち図ずや行ぎょう政せい資し料りょうだけでなく、そこで暮くらす人ひとの記き憶おくも重じゅう要ような資し料りょうになるという。森もりさんが調しらべる商しょう店てん街がいでは、戦せん後ごに建たてられた店みせが次々つぎつぎに閉しまり、土と地ちの使つかい方かたも変かわっている。建たて物ものがなくなれば、そこにあった暮くらしを知しる手てがかりも減へる。森もりさんは買かい物ものがてら町まちを歩あるき、店てん主しゅや住じゅう民みんと短みじかい会かい話わを交かわす。

正せい式しきな聞きき取とり調ちょう査さとは異ことなるが、日にち常じょうの場ばだからこそ語かたられる話はなしも少すくなくない。行ぎょう政せい資し料りょうには建けん築ちく年ねんや所しょ有ゆう者しゃが記しるされているが、店みせ先さきで交かわされた会かい話わや季き節せつごとの習しゅう慣かんまでは残のこらない。公こう的てき記き録ろくだけでは見みえない歴れき史しがある。ただし、日にち常じょうの会かい話わを研けん究きゅうに使つかう場ば合あいには注ちゅう意いが必ひつ要ようだ。相あい手てが研けん究きゅうのための記き録ろくだと理り解かいしていなければ、その言こと葉ばを勝かっ手てに公こう表ひょうすることはできない。

森もりさんは興きょう味み深ぶかい話はなしを聞きいたとき、後ご日じつあらためて目もく的てきを説せつ明めいし、記き録ろくしてよい範はん囲いを確かく認にんする。名な前まえを出だしたくない人ひとの証しょう言げんは匿とく名めいにする。調ちょう査さを始はじめたころは、大だい学がくから来きた研けん究きゅう者しゃに何なにが分わかるのかと疑うたがう住じゅう民みんもいた。森もりさんが何なん度ども町まちを歩あるくうち、少すこしずつ資し料りょうを見みせてもらえるようになった。集あつめた写しゃ真しんや聞きき取とりは大だい学がくだけに保ほ存ぞんせず、商しょう店てん街がいの展てん示じでも紹しょう介かいしている。

住じゅう民みんが内ない容ようを訂てい正せいしたり、新あたらしい情じょう報ほうを加くわえたりできるようにするためだ。取とり壊こわされる建たて物ものから住じゅう民みんの記き憶おくに至いたるまで記き録ろくしなければ、町まちの歴れき史しは捉とらえきれない。長なが年ねんその場ば所しょを使つかってきた人ひとの視し点てんを残のこすことが、研けん究きゅうを地ち域いきに返かえす一ひとつの方ほう法ほうだと森もりさんは考かんがえている。研けん究きゅう者しゃが地ち域いきを説せつ明めいするのではなく、地ち域いきとともに記き録ろくを作つくる。その過か程ていそのものが、失うしなわれかけた記き憶おくを共きょう有ゆうする場ばになっている。

森もりさんは、調ちょう査さ対たい象しょうの町まちを「分わかった」と感かんじたときほど注ちゅう意いすると言いう。住じゅう民みんと親したしくなれば質しつ問もんしやすくなるが、聞きき慣なれた説せつ明めいを当とう然ぜんだと思おもい、違い和わ感かんを見み落おとすこともあるからだ。外そとから来きた視し点てんを失うしなわず、同どう時じに外がい部ぶの基き準じゅんだけで町まちを判はん断だんしない。その不ふ安あん定ていな距きょ離りを保たもつことが、地ち域いきを研けん究きゅうする難むずかしさであり、面おも白しろさでもある。

2 問題

問1森もりさんは大だい学がくの授じゅ業ぎょう以い外がいに何なにをしていますか。

  1. 古ふるい商しょう店てん街がいの変へん化かを調しらべている
  2. 新あたらしい店みせを経けい営えいしている
  3. 行ぎょう政せい資し料りょうを作つくっている

問2森もりさんが住じゅう民みんとの日にち常じょう的てきな会かい話わを大たい切せつにするのはなぜですか。

  1. 正せい式しきな調ちょう査さが禁きん止しされているから
  2. 短たん時じ間かんで買かい物ものできるから
  3. 日にち常じょうの場ばで語かたられる話はなしがあるから
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